千里みらい夢学園 学園長あいさつ

学園長 吹田市立千里たけみ小学校 今枝 かおり

 

「9年間を通して子どもたちを育てるということ」   

 

 今年度、学園長となりました千里たけみ小学校校長の今枝かおりです。

 千里みらい夢学園は 平成23年度に吹田市で初めて設置された施設分離型の小中一貫教育校であり、今年で13年目をむかえました。
 本学園では、小学校6年間と中学校3年間を連続したものととらえ、小・中学校の教職員がお互いの良さを活かして指導方針を一つにし、9年間を通して「確かな学力」「豊かな心」「たくましい体」を育成することをめざしています。校種を超えて、系統的・継続的な教育活動を実施し、「15歳の学力」に責任をもつという理念のもと様々な取組みを進めています。

 現学習指導要領では、

① 生きて働く 知識・技能の習得

② 未知なる状況にも対応できる 思考力・判断力・表現力等の育成

③ 学びを人生や社会に生かそうとする 学びに向かう力・人間性の涵養

を「子どもたちに求められる資質・能力」の三つの柱として育成をめざしています。

 学園の教育目標である「学ぼう・つながろう・やりぬこう」は、この学習指導要領の趣旨を反映し、子どもたちが将来、変化が激しく予測することが難しい社会を生き抜くために設定しているスローガンです。

 本学園では、9年間の義務教育期間のうち、小中学校の接続部である小6と中1の取組みを充実させています。そのため、桃山台小学校と千里たけみ小学校の6年生が、朝から竹見台中学校へ登校し、丸1日中学校で学習活動を行う「金曜日登校」を年間10回実施しています。1年間、四季を感じながら中学校生活を体験し、2校の小学生同士の交流や小中学生の交流を深めています。この取組みにより、隣の小学校の友達、中学校の先輩や先生とつながり、小中の段差を低くすることができます。

 そして、中学生にとっては、年下の子どもたちに頼られることや自分たちが中心となって小学生を導いていく場面があり、自己肯定感をもつことにつながっています。

 金曜日登校の朝、ランドセルを背負った小学生と大きく成長した中学生が同じ中学校の門を通って登校する様子は実に微笑ましく、私たちおとなも優しい気持ちになります。昨年度までは、新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、交流行事はほとんどできませんでしたが、今年度は、金曜日登校以外にもつながりタイムなども復活させていく予定です。中学校進学に向けての不安解消に少しでもつなげられるようにしていきたいと考えています。

 また、教職員のなかでは、各教科の授業研究において、互いの授業を観察し、研究する中で、小中9年間で子どもたちに付けたい力を明確にし、検証して改善する取組みもすすめております。

 どうぞ、今年度もご支援とご協力をよろしくお願いします。