《道徳の授業を魅力的にする手立て》
子どもが興味をもって授業に取り組み、資料の内容や教師のねらいを明確に理解するためには、
多様な指導方法の中から子どもの実態に応じて手だてを講じる必要がある。
@ 導入の工夫
導入では、学習の雰囲気をつくり、資料や価値への方向付けをすることがねらいなので、
次のような方法が考えられる。
●写真・絵・実物などの提示…資料に対する興味や関心を起こさせる。
●アンケート・事前体験などのふり返り…ねらいとする価値への方向付けをする。
●資料や価値に関する簡単な質問・説明
…資料の内を理解させるため、知識を確かめる
…考える視点をそろえる。
(例えば、「親切にしてもらったことについて」なのか「親切にしてあげたことについて」なのか、など)
A 資料を提示する工夫
資料提示の方法としては、読み取りに陥らせるのではなく、話の内容を感性でとらえさせる
ために、教師による読み聞かせが一般的に行われている。その際に以下のような提示のしかた
を用いることもできる。ただし、内容をよく吟味して選り抜いた情報を提示するように留意する。
●通読と分かち読み…登場人物への共感を助けるためには、通読することが基本であるが、
内容によっては、分かち読みが効果的な資料もある。
例えば、途中で切って部分部分で共感させたい資料の場合や、論説物などを
用いる場合で、途中で理解を確かめる必要があるときには有効である。
●場面絵・登場人物の絵・写真…内容の理解を助ける。
●紙芝居・ペープサートによる演技…特に小学校低学年の児童には有効である。
●音声(効果音)・音楽・映像…内容の理解を助けたり、効果を高めたりすることができる。
●ICTの活用(資料をプロジェクターに大きく写す、インターネットの動画を利用するなど)
B 話し合いの工夫
話し合いは、子ども相互の考えを深める中心的な学習活動であり、意見を出し合う、まとめる、
比較する、決めるなどの目的に応じて効果的に行われるように工夫する。
●座席の配置の工夫・・・コの字型、ロの字型、対面型など
●話し合いの形態の工夫
○ 全体での話し合い…ネームプレートなどを利用して、一人一人の立場を明確にする話し合いを
行うこともできる。
○ グループ・ペアによる話し合い…グループ間の質のむらがないようにすることや、グループ内での
人間関係、雰囲気作りに留意することが大切である。
C 書く活動の工夫
書く活動は、子どもが自ら考えを深めたり、整理したりする機会となる。また個々の子ども
の考え方をとらえ、個別指導を進める重要な手がかりにもなる。限られた時間の中で深く考え
させるために、書かせる場面をしぼることが大切である。
●発問に対する考えを書くワークシート …じっくりと考えることができる。
●授業のふり返り …道徳的価値にどれぐらい迫れたのかを見ることができる。
●登場人物への手紙 …道徳的価値にどれぐらい迫れたのかを見ることができる。
●1冊に綴じられたノートの活用…学習を継続的に深められる。
D 表現活動の工夫
発表したり書いたりすることのほかに、以下のような方法を取り入れることは、学習を楽しく
し、子どもの考えを深めさせることができる。
●動きやせりふのまねをする…場面を再現し、場面や登場人物の心情の理解を深める。
●役割演技(ロールプレイング) …登場人物の心情に迫り、意欲的に表現活動を行うことができる。
●人形やペープサートをもって演じる …登場人物の心情に迫り、意欲的に表現活動を行うことができる。
●イラストによる表現 …登場人物の心情に迫り、意欲的に表現活動を行うことができる。
E 終末の工夫
終末では、ねらいとする価値の確認や整理をそれぞれの心の中ですることを目的とし、
次のような手だてを講じることができる。
●授業の感想を問う。
●自己の変容や気づきについて問う。
●教師の語り、朗読、音楽を聴く・・・発問をせずに余韻をもたせて終わる。

