発問を構成する場合には、授業のねらいに強くかかわる中心的な発問をまず考え、次にそれを
生かすためにその前後の発問を考え、全体を一体的にとらえるようにするという手順が有効な
場合が多い。
@ 授業の中で最も深く考えさせる発問(中心的な発問)を考える。
●中心的な発問は、本時のねらいと一致させる。
●多様な考えが出てくるような問い方を工夫する。
●予想される子どもの反応(発問に対する答え)を考える。
<予想される答えが、ねらいとする道徳的価値と一致しているか>
○行為を問うのではなく、行動のもととなる心のありよう(内面)を問う。
原則として行為を支える「こころ」について発問する。
「主人公は、どんな気持ちだったのでしょう?」→<道徳的心情>
「主人公は、どう考えたでしょう?」 →<道徳的判断力>
「主人公は、どうしようと思ったのでしょう?」 →<道徳的実践意欲・態度>
<発問をする時の留意事項>
*ねらいとする価値について深く考えさせることのできる発問にする。
*発問の主語は、主人公で統一するのが一般的である。
*教師との1対1のやり取りではなく、子どもたちの発言をつなぐとともに、
発言をさらに深める問いかけをすることで、考えや思いを深めていくことができる。
A 中心的な発問を生かすための前後の発問を考える。
●中心的な発問に時間をかけることが本時のねらいに迫ることになるので、
基本的な発問の数が多くなりすぎないようにする。
※導入における留意点
・子どもたちの興味関心が向くように配慮する。
・資料についての予備知識が必要な時には説明をする。
・本時の道徳的価値に触れる発問をしすぎないようにする。
※終末における留意点
・教師の側からの意欲づけや、行為に結び付けるような働きかけ、
決意表明をさせることなどは、道徳の時間では避けるようにする。